「メルカリ」がアメリカで業績を上げるには

私はアメリカに10年住んでいますが、アメリカ生活では一度もメルカリを使ったことがありません。日本ではメルカリで売るのも買うのも大好きなので、アメリカでも二度ほどアプリをダウンロードをしたことがありますが、一度も使用せずアプリを削除してしまいました。残念ながら、友人知人からもメルカリの話は聞いたことがありません。

そこで今回は、なぜメルカリはアメリカの市場に入り込みにくいのかについての市場調査、コンペティター調査、ユーザー動向調査を行いました。次回はこれらを元にペルソナとストーリーを考えていきます。

目次
  1. アメリカの個人の不用品販売事情
    1. 中古商品を販売する側
    2. 中古商品を購入する側
  2. アメリカでメルカリが浸透しにくい理由
    1. 既に競合サービスが多い
    2. 対面取引が主流
    3. アプリ手数料
    4. 発送の手間や、送料
    5. メルカリでしか買えない絶対に欲しいものがない
    6. ユーザーインターフェイスの課題
    7. 返品の課題
  3. メルカリがアメリカでも浸透するために必要なこと
    1. 1、ユーザーのアプリへのタッチポイント
    2. 1、ローカライズ
    3. 2、マーケティング戦略
    4. 3、アプリのインターフェイス
    5. 4、コミュニティの構築
    6. 5、何でも売っているところではなく、ここでしか買えないものを
  4. アメリカの若者の行動トレンド
    1. アメリカの高校生の購買傾向
    2. アメリカの大学生の購買傾向
  5. スニーカー転売について
    1. 限定スニーカーの仕入れ元
    2. 仕入れたスニーカーの販売先
    3. スニーカー転売の相場に影響を与える要素
    4. リアルタイム取引価格
    5. 具体的な転売相場の例
  6. アメリカ人の女子大学生の美意識
  7. アメリカで受け入れられている日本文化
  8. アメリカで人気のカードゲーム(ワンピースなど)
    1. . オンラインフォーラムとSNS
    2. 2. ローカルイベント
    3. 3. イベントとエキスポ
  9. 中古品オンライン販売のコンペティターリサーチ
    1. OfferUpがアメリカで浸透している理由
    2. 若者に浸透しているDepop。若者に人気な理由
    3. 新品スニーカー取引きのStockX
    4. 中古スニーカー取引きのGOAT
  10. まとめ

アメリカの個人の不用品販売事情

アメリカ人は買い物が大好きで、クレジットカード10枚持ちの人や、車庫がダンボールの山になっている家も見かけます。そのため、不用品を現金化したいというニーズは日本以上に高いと感じます。

中古商品を販売する側

田舎部と都市部では販売傾向に違いがあります。テキサス州の片田舎では自宅でガレージセール、ヤードセールを行うのは日常的な光景ですし。またFacebook Marketplaceでの販売も盛んです。一方サンフランシスコの街中に住んでいた頃はガレージセールは殆ど見かけたことがありません。Facebook Marketplaceでの不用品販売や寄付はよく目にしました。

アメリカどの地域でのオンラインサービスはFacebook MarketplaceとOfferupが最も利用されており、幅広い年齢層に支持されています。Facebookでは無料で商品を譲るコミュニティも各地で存在します。売買のきっかけはオンラインサービスであっても、地元のユーザーとの対面受け渡しが行われるのが一般的です。

オンサイトの対面の取引としては、家の前にFreeで置いておくことや、ガレージセールが一般的です。さらに子供商品に特化したJust Between Friendsなどの巨大フリーマーケットも全国的に行われています。また、Goodwillなどの全国的に展開する慈善団体や教会やリサイクルセンターに寄付することもあります。

中古商品を購入する側

オンラインの中古市場はたくさんの選択肢があります。一番選ばれているFacebook MarketplaceやOfferUpは、サービス利用の気軽さ、手数料無料、対面受け渡しであることが理由です。もしくはそこでしか手の入らない商品があることもサービスとして選ばれる要素です。

最近ではアマゾンやTemuなどで新品の商品でも安価で即日、送料無料で手に入れることができるようになりました。

オンライン中古販売サービス主な販売形式メモ
Facebook Marketplace対面老若男女、多くのアクティブユーザーが利用。Facebookアカウントを利用して、簡単に個人売買ができて、地元の売買に最適。幅広い商品カテゴリーが揃う。
OfferUp対面主に地元での売買を重視し、ユーザーが近隣のバイヤーやセラーと取引できる。商品が早く売れることが期待でき、手軽なインターフェースが魅力。売上に対して手数料がかかる場合があるが、直接会って取引する場合は手数料は発生しない。
Craigslist対面地域別に商品を出品できるサイト、家具や電化製品などの大型商品も多く取引。
eBay発送世界的に有名で、オークション形式もサポートしているため、幅広い商品カテゴリーと国際的な取引が可能。特に、収集品や中古品の売買に適している。
Poshmark発送衣類やファッションアイテムの売買に特化。特に、ブランド品やハイエンドなファッションを売買するユーザーに人気。
Depop発送主に若い世代(特にZ世代)を対象。ユーザーが個性的なプレゼンで商品を出品。
StockX発送若者に人気。新品のスニーカーを株取引の感覚で売買。鑑定あり。
GOAT発送若者に人気。中古のスニーカーや中古ファッションアイテムの売買。鑑定あり。
Etsy発送ハンドメイドのネット販売大手
アメリカのオンラインのフリマサービス

アメリカでメルカリが浸透しにくい理由

アメリカでメルカリが浸透しない要因を挙げていきます。

既に競合サービスが多い

アメリカには日本と違って、自宅でガレージセールを行う習慣や、Facebookマーケットプレイスで販売するような習慣が既に存在しています。寄付の文化もあり、おもちゃなど一気に寄付する場合もあります。また、アマゾンやTemuなどで新品の物でも安価で直ぐに、送料無料で手に入るようになりました。

対面取引が主流

アメリカの不用品販売では、ガレージセール、Facebook Marketplaceを筆頭に日常的に行われており、受け渡しは対面での取引が好まれる傾向があります。アメリカで出品者が発送するには日本以上に手間もお金もかかります。

アプリ手数料

OfferUpの場合、対面取引の場合は手数料が無料です。

発送の手間や、送料

商品発送のためには、梱包材を準備し、梱包し、郵送業者に持っていかなくてはいけません。送料もかかります。

メルカリでしか買えない絶対に欲しいものがない

メルカリで掘り出し物を探すのは楽しいかもしれません。しかしそれはメルカリ以外でもできます。

ユーザーインターフェイスの課題

アメリカには英語を読めない人もたくさんいるので、直感的にわかるユーザーインターフェースが好まれます。また、アプリをひらいた瞬間にいかにユーザーの望む情報を出すかも大切です。

実際にメルカリアメリカを使ってみたところ新規登録後、ユーザーは自分で欲しい商品を探しに検索をしなければいけませんでした。例えば最近の他のアプリでは、アプリの登録時から服のサイズ、好きなブランドを選んでからはじめて、アプリを始めた1ページ目からその人が欲しい可能性のある商品をピンポイントで表示しています。

返品の課題

アメリカでは新品のものですら買った商品を理由問わずで返品できるのが一般的です。Amazonは返品送料も出品者負担です。メルカリは個人間取引なので、送られてきた購入商品が写真と全く違うものであったり偽物であっても、返品が難しいですし手間がかかります。

メルカリがアメリカでも浸透するために必要なこと

1、ユーザーのアプリへのタッチポイント

  • 日本でもアメリカでも、フリマアプリを最初に利用する際は、購入者として始める人の方が多いそうです。そこで、アメリカでメルカリを浸透させるためには、まず、購入者を増やすところが大切になってきます。

1、ローカライズ

  • 商品を売る側の場合
    アメリカ人に親しまれている直感的なインターフェイスが好まれます。若者の場合はそこにインタラクションが追加されたものが増えてきています。そして、手軽に現金化させてあげる為には、混乱の少ないフロー重要です。近所の人との対面取引の方法も避けられません。
  • 商品を買う側の場合
    直感的なインターフェイスで簡単に魅力的な商品に出会わせてあげることが重要です。メルカリでしか出会えないかもしれない魅力的な商品を揃えたいです。

2、マーケティング戦略

  • アメリカでフリマアプリを利用する年齢層で一番多いのはジェネレーションZ(18歳から24歳)の高校生、大学生です。アメリカの高校生はイケてる髪型、イケてる靴などに影響され、何十万もする人気の靴を手に入れようとする子も増えてきます。大学生はファッションアイテムやトレンドに敏感で、手頃な価格のアイテムを探している傾向があります。若者のトレンドについては下記にまた触れていきます。
  • 70%の大学生は、大学構内でのアルバイトやインターンなどをしていて、自分のために使うお金がある程度あります。
  • ソーシャルメディアでの影響力を持つインフルエンサーを起用することは注目されています。

3、アプリのインターフェイス

  • アメリカ人のユーザー、ターゲット層のユーザーにとって、使いやすいインターフェイスの検討が必要です。中でも最近のアプリの傾向は、機械的で冷たい情報ではなく親しみの持てるフレンドリーなインターフェイスが増えてきています。また、動画コンテンツも年々ショート化しているように、少ない情報量で視覚的に伝えることも主流になってきています。

4、コミュニティの構築

  • アメリカでユーザーから愛されているデジタルプロダクトでは、Discordのユーザーコミュニティが盛んです。どのような形がベストなのかはプロダクトによって違いますが、ユーザーからの意見を取り入れ、サービス改善を行うことは必須です。

5、何でも売っているところではなく、ここでしか買えないものを

  • 中古マーケットの多くは若者とのことで、若者の心を掴む商品を揃えることは一つのキーです。個性的でクールなものを探し求めている若者はテクノロジーに長けているので、トラディッショナルな定番アプリを凝り固まって使い続けるというよりは、良いと聞けば目新しいサービスでも気軽に使ってみる傾向があります。
  • アメリカ人にとって日本製の化粧品、ベビー用品などの人気は低くないので、日本製のものを扱う場としての着眼点も良いです。Wee!(中国系列のネットスーパー)やTeso(中国系列の実店舗件ネットショップ)では、アメリカにいても日本のものを購入はできます。しかし、知名度が高いわけではないのでインフルエンサーさんが使っているなどきっかけがあれば、試してみる人は多いのではないでしょうか。

アメリカの若者の行動トレンド

高校生、大学生の願望の傾向

  • 良い成績を収めることが、自分の望む大学進学や就職に重要な要素であることを認識しています。高校生は進学に重要なGPAやSATのスコアを意識し、大学生は学業に加えインターンシップなどの就職経験を重視し計画的に動くことが多いです。
  • お金を稼ぎたいと考える。同期は様々で、キャリア形成、学費の負担軽減や履歴書に書けなど。
  • 限定スニーカーやインフルエンサーが身につけているようなイケてるアイテムが欲しい。
  • フォロワーが欲しい、自分でビジネスをしたい。
  • アイフォン、アップルウォッチ、マックブックが欲しい。
  • 食生活やフィットネスやマインドフルネスに気をつかって体も心もかっこよくありたい。
  • 恋愛感はバックグラウンドや環境により望む人もいれば、そうでない人もいて様々。

アメリカの高校生の購買傾向

アメリカの高校生は購買意欲が強く、数百ドルする限定モデルやコラボレーションアイテムを購入することも珍しくありません。親からのお小遣いをもらっている子は多いですが、16歳以上になるとパートタイムで働けるため、ファストフード店や市民プールの監督アルバイトなどで稼いでいる子供もいます。スニーカー文化が発展しているアメリカでは、高校生の間でもスニーカーの転売をして利益を得る方法も一般的です。StockXやGOATなどのプラットフォームを使い、限定スニーカーを購入し、それをリセールして収入を得る学生もいます。また、一部の高校生は、eBayやDepopなどで不要なものを売ったり、SNSを活用した小規模なビジネスを始めたりして収入を得ていることもあります。

1、スニーカー:アメリカの高校生は、スニーカー文化に強い影響を受けており、特にナイキや、アディダスといった人気ブランドが好まれています。

2、ファッション全般: ブランドのTシャツやフーディー、特にヴィンテージやストリートウェアのアイテムが人気です。

3、テクノロジー: 最新のスマートフォンやラップトップ、特にApple製品にこだわりがあります。

4、ソーシャルメディア: InstagramやTikTokでの発信やフォロワー数、フィードの美しさに気を使っています。

5、環境意識: サステナブルなブランドやエコフレンドリーな製品を選ぶことに関心を持つ学生が増えています。

6、ヘルス・フィットネス: 健康志向で、スポーツやジムでのトレーニングに力を入れている学生も多いです。

アメリカの大学生の購買傾向

多くの学生がキャンパス生活で忙しいため、オンラインショッピングの利便性を重視する傾向があります。また、AmazonやZapposなどの一般的なプラットフォームも頻繁に利用されます。

1, スニーカー:大学生の間でも、Air JordanやYeezy、Nike x Off-Whiteなどのコラボレーションスニーカーが人気です。スニーカーヘッズと呼ばれる人々は、転売マーケットや抽選販売(raffle)に参加して高価な限定品を手に入れることに熱心です。特に大学生になると、よりお金に余裕が出てくるため、数百ドル以上するスニーカーに投資することもあります。StockXやGOATを使って、スニーカーを取引してお金を稼ぐという側面が、大学生の間でさらに一般化しています。

2. ファッション:スニーカーと同じく、ファッション全体にもこだわりがあります。ナイキやアディダスのアスレジャー(athleisure)スタイルの服装、そしてパタゴニア(Patagonia)やノースフェイス(The North Face)などのアウトドアブランドも人気です。また、都市部の大学生はストリートウェアヴィンテージファッションにも注目しており、トレンドを追いかけながら自分らしいスタイルを作り上げています。

3. スマホやパソコン:iPhoneは圧倒的に人気で、新しいモデルやアクセサリにも関心が高いです。また、Apple WatchやAirPodsといったウェアラブルデバイスも多くの大学生が持っています。MacBookなどのラップトップは大学での必需品です。

4.インフルエンサー文化:大学生はInstagramやTikTok、YouTubeなどのソーシャルメディアプラットフォームを頻繁に利用しており、フォロワー数を増やすことや、影響力のあるインフルエンサーをフォローすることに熱心です。自分のSNSアカウントを通じて、ファッションやライフスタイルを発信し、パーソナルブランディングにこだわる学生も多くいます。

5.食生活とフィットネス: 大学生は食生活やフィットネスにも関心を持ち、健康的な食事を心がける傾向があります。特に、ビーガンやベジタリアン、グルテンフリーなどの特定の食事スタイルを選ぶ学生もいます。ジム通いやランニング、ヨガなど、フィットネスに力を入れている大学生も多く、トレーニングウェアやジムアクセサリにこだわることがあります。

6. エコ意識とサステナビリティ: 大学生は環境問題に敏感で、サステナブルなファッションブランドやエコフレンドリーな商品を選ぶことが増えています。リサイクル素材を使った商品や、エシカルな生産方法で作られた商品が人気です。スローファッションやヴィンテージショッピングも人気で、地元の古着屋やオンラインで中古品を購入することも一般的です。

スニーカー転売について

アメリカにおいてスニーカービジネスは非常に注目されています。高値で転売できる為、高校生大学生もスニーカーを転売を行うことは珍しくありません。

限定スニーカーの仕入れ元

  1. 公式リリース(オンライン抽選・ドロップ):
    • NikeやAdidas、Jordanブランドの公式サイトやアプリ(例: Nike SNKRS、Adidas Confirmed)でのオンライン抽選や限定リリース。
    • これらの公式ドロップは、特に限定版や人気モデルが入手できるため、転売目的で狙う人が多いです。
  2. 実店舗(先着順・抽選):
    • フィジカルストア(Foot Locker、Champs、Finish Lineなど)やブランドの旗艦店での発売日に購入。人気モデルでは行列ができたり、抽選で販売されることもあります。
    • 特にスニーカーの「キャンプ」と呼ばれる、発売前日に店頭に並んで購入する方法がかつては一般的でしたが、今は多くがオンライン抽選に移行しています。
  3. リセールプラットフォーム(転売価格で購入):
    • StockX、GOAT、eBayなどの転売マーケットで、他の転売者から購入し、さらに高い価格で再転売することもあります。この場合、限定モデルや価格が上がる前のタイミングで購入するのが鍵です。StockX、GOATは正規品かどうか鑑定する仕組みができています。
  4. スニーカーイベント・コンベンション:
    • Sneaker Conや他のスニーカーイベントで、直接他のコレクターや転売者から購入。イベントでは現物を確認できるため、稀少なモデルや中古の良品を見つけることができる。

仕入れたスニーカーの販売先

  1. リセールプラットフォーム:
    • StockX: 信頼性が高く、売買の際にスニーカーの真贋鑑定を行うため、多くのバイヤーとセラーが利用。価格は入札形式で決定されることが多いです。
    • GOAT: StockXと同様にスニーカーの真贋検証を行い、安心して転売できるプラットフォームです。中古スニーカーの売買も盛んです。
    • eBay: スニーカーに特化したセクションがあり、eBayでも真贋鑑定サービスが提供されるため、スニーカーヘッズから人気です。
  2. ソーシャルメディア・コミュニティ:
    • InstagramやTwitter: 自分のフォロワーやスニーカーコミュニティを通じて直接売買することもあります。信頼できる個人間の取引ができる一方で、詐欺やトラブルのリスクもあります。
    • Facebook MarketplaceやCraigslist: 地元での直接取引が可能。プラットフォームの手数料がかからないため、利益が高い反面、詐欺リスクが高い。
  3. スニーカーイベント:
    • Sneaker Conなどのスニーカーイベントで、他のコレクターや転売者に直接販売する。購入者がその場でスニーカーを確認できるため、取引がスムーズです。

スニーカー転売の相場に影響を与える要素

  1. 限定モデル・コラボ商品:
    • 有名デザイナーやアーティストとのコラボスニーカー(例: Off-White x Nike、Travis Scott x Air Jordanなど)は非常に人気で、リテール価格(定価)が$150〜$250程度であっても、転売価格が2倍〜10倍に跳ね上がることがあります。特に希少なモデルやカラーバリエーションでは、$1,000以上で取引されることが一般的です。
    • 例: Off-White x Nike Air Jordan 1の場合、リテール価格が$190前後ですが、転売価格は$1,500〜$3,000になることがあります。
  2. サイズ:
    • 一般的な人気サイズ(US 9〜11)は、サイズによって転売価格が異なります。同じモデルでも、希少サイズ(非常に小さいまたは非常に大きいもの)は、さらに高く取引されることがあります。
  3. 発売直後と時間経過:
    • 限定スニーカーは発売直後が一番高値で取引されることが多いです。発売後数日〜数週間の間は、価格が高く保たれますが、供給量が増えると少し落ち着くこともあります。
    • ただし、コレクター向けのスニーカーや過去の人気モデルは、長い時間が経つと再度価格が上昇することがあります。
  4. 新品 vs. 中古:
    • 新品(Deadstock、DS)は高値で取引されやすいですが、使用済み(中古)でも人気モデルであれば価値が高いです。中古の場合、使用状況や状態により価格は大きく変動します。

リアルタイム取引価格

StockXやGOATでは、スニーカーのリアルタイム取引価格が表示されるため、購入してすぐに転売した場合にどのくらいの利益が出るかを予測できます。

StockXのサイトやアプリでは、スニーカーのモデル名や型番を検索すると、そのスニーカーの最新の取引価格や過去の売買履歴が表示されます。これにより、購入したスニーカーが転売された場合にいくらで売れるかの目安がつけやすいです。

GOATのアプリやサイトで特定のスニーカーを検索すると、そのスニーカーのサイズ別、状態別の価格を確認できます。価格履歴の情報をもとに、今後の値動きもある程度予測可能です。

eBayの「Sold Listings」機能を使うと、特定のスニーカーが実際にいくらで取引されたかを確認できます。これにより、転売価格の相場を判断することができます。

具体的な転売相場の例

  1. Nike Air Jordan 1:
    • リテール価格: $160〜$200
    • 転売相場: $300〜$1,500(特定の限定カラウェイやコラボではさらに高額)
  2. Adidas Yeezy Boost 350 V2:
    • リテール価格: 約$220
    • 転売相場: $400〜$800(特定のモデルやサイズによってはさらに高額)
  3. Travis Scott x Nike Air Force 1:
    • リテール価格: 約$150
    • 転売相場: $700〜$1,500
  4. Off-White x Nike Dunk Low:
    • リテール価格: $180
    • 転売相場: $800〜$2,000
  5. New Balance 550(一般リリースモデル):
    • リテール価格: 約$110
    • 転売相場: $150〜$300(人気のカラーやサイズによって価格は変動)

アメリカ人の女子大学生の美意識

アメリカの大学生の外見に関する意識は高く、社会的プレッシャーもあり健康よりも外見が優先される傾向があります。女子大学生の約40%が体型や食事障害に関する深刻な悩みを抱えており、90%が自分の身体に満足していないそうです。美しい、かわいいと見られたい願望は強いですが、健康的であることを示すことにも関心があり、見た目だけでなく、内面的な美しさや健康も重要視されます。
美容にかける金額は様々ですが、SNSの影響で流行っている商品をオンラインで手軽に入手する環境が整っています。

  1. フィジカルな健康
    運動とバランスの取れた食事を目指します。
  2. 自信と自己肯定感
    自分を受け入れてポジティブな自己イメージを持っている人が美しいとされます。
  3. 多様性
    異なる体型、肌の色、年齢など、それぞれの多様性にあったポジティブな考え方が広がっています。
  4. メンタルヘルス
    リラックスやマインドフルネスを重要視する人が健康的と見られます。
  5. ソーシャルメディアの影響
    有名人が発信する健康的なライフスタイルは健康的なイメージに直結します。
  6. 化粧のトレンド
    アメリカ人の女子大生の90%が自信を高めるため、顔の特徴を引き立てるためなどの理由で化粧をしています。日本人ほど「若く見られたい」という願望は多いわけではありませんが、年齢サインを隠すために化粧をする方もいます。

アメリカで受け入れられている日本文化

メルカリが日本発祥であるのを強調し、アメリカ人に愛されるプロダクトを目指すのもいいかと思い、アメリカで受け入れられている日本文化も調べてみました。

  1. 食文化
    寿司やラーメン: 寿司やラーメンはアメリカの多くの都市で人気があります。特に寿司は高級料理として位置づけられ、多様なスタイルの寿司店が存在します。また、抹茶や抹茶ラテは健康志向の高まりと共に人気があり、カフェメニューに取り入れられることが多くなっています。
  2. アニメとマンガ
    アニメやマンガは特に若い世代に人気があり、アメリカでも多数のファンがいます。アニメイベントやマンガコンベンションも盛況で、日本のアニメ文化が大きな影響を与えています。マンガ「ワンピース」のフィギュアやカードゲームも流行しています。ハンターハンター、ポケモン、マリオのポスターはアメリカの現地小学校のブックフェアでも売られるほど人気。街ではドラゴンボールのTシャツも見かけることもよくあります。
  3. スポーツ
    大谷翔平選手のことはよく話題にあがります。ピッチャーとバッターの両方で卓越した才能を持っており、「二刀流」としての活躍がスターとして多くのファンを魅了しているようです。
  4. 化粧品やベビー用品
    アメリカ人は日本製の化粧品やベビー用品に対して、高品質であるという印象を持っています。先日もアメリカ人のママから、どこの化粧水を使っているか聞かれました。
  5. 日本車
    テキサスアメリカ本社があるトヨタは、特にアメリカに浸透しています。安心、安全なイメージで多くのアメリカ人に支持されています。

アメリカで人気のカードゲーム(ワンピースなど)

ワンピースカードのような特定のコレクターズアイテムに関しては、トレカ版のメルカリであるTCGPlayerやeBayのような専用のマーケットプレイスが選ばれやすいです。

ワンピースカードゲームの主なイベントやトーナメントは大都市で開催されており、特にフロリダ州オーランドのオレンジカウンティ・コンベンションセンターで定期的に大規模な大会が行われています。また、全米各地のゲームショップでローカルな大会やミートアップも頻繁に開催されています。特にテキサス州サンマルコスや他の大都市で、週末ごとにカジュアルな対戦イベントが開かれています​

また、多様なコミュニティ活動が「ワンピース」カードゲームを支え、ファンの結束を強めています。興味のある方は、これらのコミュニティに参加することで、より深く楽しむことができるでしょう。

. オンラインフォーラムとSNS

  • ディスコードサーバーRedditなどのオンラインプラットフォームで、プレイヤーが戦略やデッキ構築について情報を共有したり、対戦を募集したりしています。
  • FacebookグループTwitterでのフォロワーとの交流も盛んで、特に新しいカードセットやイベントの情報を迅速に得られる場となっています 。

2. ローカルイベント

  • 各地のゲームショップやカフェで開催されるトーナメントカジュアルナイトが、プレイヤー同士の交流の場を提供しています。これにより、リアルな対戦を通じて新しい友達を作ることができます。
  • 大会では、公式のルールに基づいたプレイが行われ、参加者は競技のスキルを高めることができます 。

3. イベントとエキスポ

  • 「ワンピース」に関連するコンベンションエキスポでは、カードゲームの特設ブースが設けられ、特別なプロモーションカードの配布や、著名なプレイヤーとの交流の機会もあります。
  • こうしたイベントは、特に大規模なコンベンションで行われることが多く、ファン同士のネットワーキングを促進しています 。

中古品オンライン販売のコンペティターリサーチ

オンライン中古販売サービス主な販売形式メモ
Facebook Marketplace対面老若男女、多くのアクティブユーザーが利用。Facebookアカウントを利用して、簡単に個人売買ができて、地元の売買に最適。幅広い商品カテゴリーが揃う。
OfferUp対面主に地元での売買を重視し、ユーザーが近隣のバイヤーやセラーと取引できる。商品が早く売れることが期待でき、手軽なインターフェースが魅力。売上に対して手数料がかかる場合があるが、直接会って取引する場合は手数料は発生しない。
Craigslist対面地域別に商品を出品できるサイト、家具や電化製品などの大型商品も多く取引。
eBay発送世界的に有名で、オークション形式もサポートしているため、幅広い商品カテゴリーと国際的な取引が可能。特に、収集品や中古品の売買に適している。
Poshmark発送衣類やファッションアイテムの売買に特化。特に、ブランド品やハイエンドなファッションを売買するユーザーに人気。
Depop発送主に若い世代(特にZ世代)を対象。ユーザーが個性的なプレゼンで商品を出品。
StockX発送若者に人気。新品のスニーカーを株取引の感覚で売買。鑑定あり。
GOAT発送若者に人気。中古のスニーカーや中古ファッションアイテムの売買。鑑定あり。
Etsy発送ハンドメイドのネット販売大手
TCGPlayer発送アメリカのトレカ版のメルカリ
アメリカのオンラインのフリマサービス

OfferUpがアメリカで浸透している理由

OfferUpはメルカリに近い大人気オンライン中古マーケットです。

  1. シンプルなユーザーインターフェース
    OfferUpは使いやすいインターフェースを提供しており、ユーザーが商品を簡単に出品・購入できて手軽です。ただ正直な私の感想は、アプリが見せてくる商品は自分が選んだカテゴリーのものがただ羅列されているだけで、興味のないランダムなガラクタ写真をずっと見せられているような印象を持ち全く見る気が起きませんでした。また、いちいち商品を開かないと情報を知れないのは面倒です。
  2. 地元密着型のプラットフォーム
    地域ごとの取引を重視しており、ユーザーは自分の近くで商品を見つけやすいです。このローカルフォーカスが、地域のコミュニティに根ざした取引を促進しています。商品の売り買いが成立すると、お互いが待ち合わせをして対面で商品の受け渡しをすることが一般的です。
  3. 無駄のない取引プロセス
    商品の購入から取引までの流れがスムーズで、直接会って取引することも可能です。この直接性が、信頼性を高めています。
  4. 無料での出品
    出品手数料が無料で、誰でも簡単に商品を出せるため、利用者が増えています。この手軽さが、多様な商品が出品される要因となっています。
  5. アプリの普及
    OfferUpはスマートフォンアプリとして非常に使いやすく、移動中でも簡単に取引ができます。モバイルユーザーにとって便利な点が浸透の一因です。
  6. 安全性の確保
    OfferUpは取引の安全性を確保するため、ユーザー同士の評価システムや、メッセージ機能を提供しています。これにより、安心して取引ができる環境を整えています。
  7. 広告やプロモーション活動
    さまざまな広告キャンペーンやプロモーション活動を行い、ブランド認知度を高めていることも浸透の一因です。
  8. 多様な商品カテゴリ
    家具や衣服、電子機器など、幅広い商品カテゴリが扱われているため、ユーザーは自分のニーズに合った商品を見つけやすいです。なんと、中古品だけでなく、地元の就職先まで探せちゃいます。

若者に浸透しているDepop。若者に人気な理由

中古のビンテージやハンドメイドアイテムが豊富で、特にユニークで個性的なファッションアイテムを探している若者にとって魅力的なプラットフォームです。SNS風のインターフェイスで直感的に操作ができて、ユーザー同士が交流できる場でもあり、ファッションのアイデアを共有したり、フォロワーを増やしたりすることができます。GOATやStockXのような厳格な真贋検査のシステムはありません。

  1. ファッションとトレンドへの敏感さ
    Depopはファッションアイテムやビンテージ商品を中心にしており、特に個性的でトレンディなアイテムが多く出品されています。高校生や大学生の若者は自分のスタイルを表現するためにユニークな商品を求めており、Depopはそのニーズに応えています。
  2. SNS感覚のインターフェース
    ユーザーは商品の美しさやスタイルを視覚的に楽しむことができ、共有やいいね機能を通じてコミュニケーションが生まれます。アプリを使用していて特に感じたのはサインアップ時から感じる親しみを持たせるトーンの設定です。「あなたのサイズは?あなたが好きなことは何?」と問いかけてくれているような温かみを感じました。登録直後に送ってきてくれたウェルカムメールも、ユーザーの同世代のいけてる男女の写真と、カジュアルな文面と、Let’s goというシンプルなボタンのみ。アプリのデザインはインスタグラムに似ており、商品の写真が大きく表示されるため、視覚的に魅力的です。写真の中にサイズと値段も書かれているから一目瞭然です。
  3. 環境意識の高まり
    若者の中で環境問題への意識が高まっており、中古品の購入や再利用が好まれています。Depopはサステイナブルなファッションの選択肢を提供し、環境に配慮した消費を促進しています。
  4. コミュニティとつながり
    ユーザーはフォロワーを持ち、お互いに交流することができます。出品者と購入者の間にコミュニケーションが生まれ、信頼関係を築くことができます。これにより、取引がより親密で安心感を持ったものになります。
  5. 郵送取引の便利さ
    郵送取引により、地域に限定されずに全国のユーザーと取引できるため、選択肢が広がります。特に、地方に住んでいるユーザーでも都市部のトレンディな商品を手に入れることができるのは大きな魅力です。
  6. インフルエンサーの影響
    多くのファッションインフルエンサーやセレブがDepopを利用しており、彼らの影響で若者がこのプラットフォームに興味を持ちやすくなっています。彼らのスタイルを真似したいという思いが、利用促進につながっています。
  7. 簡単な出品と購入プロセス
    手軽さ: 出品プロセスが簡単で、写真を撮って簡単にアップロードできるため、初心者でも利用しやすいです。また、購入者にとっても簡単に商品を検索・購入できるため、使いやすさが支持されています。

新品スニーカー取引きのStockX

StockXは、主に新品のスニーカー取引に強みを持っています。スニーカーを「ストック(株)」のように扱い、リアルタイムで価格が変動するのが特徴です。株式市場形式で価格がリアルタイムに表示され、取引データが視覚的にわかりやすいインターフェースを提供しています。価格の変動を把握した上で売買するため、スニーカーヘッズや投資感覚で取引するユーザーに向いています。

購入が確定したら、売り手はStockXに商品を送り、専任のチームがその商品を検査し、本物であると確認された場合にのみ買い手に発送されます。このため、偽物を掴むリスクがほぼなく、安心して取引ができます。売り手の手数料は通常は約10%前後で比較的高く、他のプラットフォームと比較して利益が減る場合があります。

中古スニーカー取引きのGOAT

GOATは、新品だけでなく、状態の良い中古スニーカーやレアなモデルを手に入れることができるため、選択肢が豊富です。さらにスニーカーに加えて、ストリートウェア、ハイエンドファッション、アクセサリーも幅広く販売しています。新品・中古品の選択肢や商品コンディションの表示がわかりやすく、商品選びがスムーズです。

購入が確定したら、売り手はGOATに商品を送り、専任のチームがその商品を検査し、本物であると確認された場合にのみ買い手に発送されます。とくに中古のスニーカーの検査が得意です、GOATの販売手数料は通常9.5%です。

まとめ

ペルソナと商品

  • アメリカでフリマアプリを利用する年齢層で一番多いのはジェネレーションZ(18歳から24歳)の高校生、大学生です。しかし既に既存のマーケットプレイスが多く存在しています。
  • 一番人気スニーカーはStockX、Goatが鑑定までついている屈強なサービスが存在します。
  • StockX、Goat、Depopは、そこでしか手に入らないものがあるから選ばれています。メルカリの強みは、アメリカで日本のものも買えるところがユニークです。日本のアニメなどの熱狂的なコレクターや、認知度が上がれば日本の化粧品なども好んで取引されることが見込まれます。

サービスについて

  • はじめてのフリマアプリを利用する際は、購入者として始める人の方が多いです。
  • アメリカでは、取引のスピードや効率性が重視され、シンプルで直感的なデザインが求められます。ユーザーはスムーズで迅速な取引を期待し、使いやすさが最優先です。
  • アメリカでは説明が少なくてもユーザーが直感的に操作できるシンプルでクリーンなデザインが好まれます。
  • 若者にはシンプルながらも楽しいモーションや、フレンドリーさを感じるサービスの方が愛される傾向があります。
  • アメリカでは支払いオプションや配送方法などが多様なので柔軟性があることも求められます。


メルカリが強みを活かした販売ができるよう、次回はペルソナなどUI/UXを考えていきます。次回もお楽しみに!

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