AI時代のUXデザイン業界【アメリカトレンド2024前期】

この記事はUX Trendsによる、2024年のUXデザイントレンドについてです。

2024年、UXデザインは後期ステージに入り、AIや自動化、デザイナーの市場の飽和が特徴といえます。デザイナーは、より戦略的な思考やユーザー視点を強化することが求められ、また、最新のテクノロジーについて知識をアップデートし続けていく必要があります。今回は近年の動向と、UXの課題について記載していきます。

最近の動向

近年のデザイナーは、自動化やAIによって推進される一方で、活動領域を脅かされています。小さな規模のプロジェクトであればCanvaやWixなどで誰もが簡単に素敵なデザインを作成できるようになり、今やそこにはAIまでもが搭載されています。UXデザインも同様で、以前はデザイナー中心に議論が行われていましたが、今はプロジェクトに関わる関係者全員が参加し意見することが容易になりました。近い将来、UXも自動化されていく可能性も十分にあるといわれています。

UXデザインの課題

AIによる自動化がスゴイ！-Automation

これからの時代はAIが自動でデザインを制作し、デザイン・ライブラリーがコーディングに反映されていきます。よって、ただ手を動かすだけのデザイナーやエンジニアの需要は減少していきます。デザイナーとして生き残る為に、短期的な戦略としてはデザイナーがプロンプトエンジニアリングを学びAIデザイナーに転向することが挙げられます。しかし、数年後にはAIがチャットベースではなくなる見込みなので一時凌ぎにしかなりません。根本的にデザイナーとして大衆と差別化される為には、デザイン思考を戦略的に決定することであり、センスや視点を確実に作品に刻み込むことが求められます。具体的には、UXリサーチ、UX戦略、コンセプトデザイン、ビジョン思考がそれらにあたります。デザイナーは、常に時代にあったテクノロジーを活用しながら、AIとうまく付き合っていく必要があります。

デザイナー余り。プロジェクトチームの縮小。- Saturation supply

デザイナーの供給が需要を上回っています。企業ではプロジェクトのチームは縮小され、レイオフも発生しています。アウトソーシングも一般的になる中で、自分のスキルに合った就職を見つけるのに苦労している人が沢山います。

非デザイナーが手軽にデザインを作成できるようになった。- Commoditization

差別化よりも、拡張性と標準化に重点を置きます。Canvaなどで誰もがコンポーネントやテンプレートを使ってクリエーターになれる時代になり、デザイナーがプロとして差別化していく分野が少なくなってきました。そんな中、UXデザイナーがプロとして出来ることは、ビジネスにおいて総合的な視点を持ち、複雑な課題を解決し、組織を正しい方向に導くことだといえます。

ビジネス目線 – Finanncialization

デザイナーはユーザーのニーズとビジネス目線のバランスをとり、結果重視の市場でユーザーを守る必要があります。よってデザイナーもビジネスに精通する必要が出てきます。

倫理観やプライバシー – Disintegration lack of trust

デジタル製品に対する信頼が欠如すると、ユーザーは懐疑的になったり、満足しきったり、悪用されやすくなったりします。企業は成長よりも、ユーザーを守る為に倫理を優先する必要があります。