ペルソナを作成する(UXデザイン)

この記事は約5分で読めます。

ユーザーペルソナとは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことで、デザインプロセスの中の第2フェーズである定義フェーズで作成します。

ペルソナ作成の目的

ユーザー中心のプロダクト製作に近づくことが出来る

ユーザーの主要な現状の期待、懸念、動機などに焦点を当てた代表的な人格を設定することで、、「誰のために設計するのか」が明確になり、ユーザーのニーズを満たした設計に近づきます。

チーム内で共通の人物像をイメージ出来る

異なる分野のチームメンバーとも共通の人物像をイメージすることができ、効率よくプロジェクトを進行することができます。

ペルソナを作成する

一般的にプロジェクトにおいて複数のオーディエンスユーザーセグメントを反映した3つまたは4つのペルソナのみを作成するのが最適といわれています。ペルソナが多すぎると手に負えなくなる可能性があるので最小限に抑えることも重要です。複数のペルソナがある場合は、プライマリー、セカンダリを設定します。

内容としては、すべてのユーザーの個々のニーズを考えるよりも、最も典型的なユーザーグループ主要なニーズに焦点を当てることが大切です。目標、課題、スキル、態度、背景情報、行動パターン、生活環境、架空の個人情報などが設定されます。ペルソナを現実的なキャラクターにするため具体的に構築していきます。

良いペルソナの特徴

ユーザー特性を集めてペルソナと呼ぶのは簡単ですが、効果的なコミュニケーションツールであるユーザーペルソナを作成することはなかなか難しいです。以下の情報はAdobeのUXツールであるXDのサイトより引用させていただきます。

  1. Personas aren’t fictional guesses at what a target user thinks. Every aspect of a persona’s description should be tied back to real data (observed and researched).
    ペルソナ像は、想像上の推測ではなく、観察や調査のデータに基づいて作成しましょう。
  2. Personas reflect real user patterns, not different user roles. Personas aren’t a reflection of roles within a system.
    実際のユーザーの行動を反映します。
  3. A persona focuses on the current state (how users interact with a product), not the future (how users will interact with a product).
    未来ではなく、現時点で製品を操作する方法に焦点を当てます。
  4. A persona is context-specific (it’s focused on the behaviors and goals related to the specific domain of a product).
    ふるまいとゴールに焦点を合わせます。

その他、いいペルソナのポイントの特徴

  • ユーザーのペインポイントとゴールの明確化。
  • 顧客の課題を本質的に捉え、解決できるようなペルソナ設計を。実現したいことは何か?自社の特徴は何か。
  • できるだけ視覚的に魅力的なものに。ペルソナの特徴を示す魅力的な配色を使用し、アイコンやグラフィックを使用する。
  • 行動、態度、意見、動機など心理的属性を含める。
  • ペルソナの画像を使用する。写真、漫画、スケッチのいずれでもかまいませんが、年齢、ライフスタイル、職業の観点から人物を適切に表現する必要があります。有名人の写真は先入観が入ってしまうので避けます。
  • 使用ブランドを含める。競合他社である可能性もあります。ユーザーの好みや趣味に関する優れた洞察を想定します。
  • 複数のペルソナを作成する場合は統一したデザインにする。特徴を比較しやすくなったり、思い出しやすくなります。
  • 住んでいる場所や給与水準などの統計を乗せた方がいい場合があります。
  • 詳細すぎないようにしましょう。文字はシンプルであるほど良いです。
  • 具体的に書きます。「旅行好き」ではなく「1年に2週間の旅行に1回行く」など人間を想像しやすいように。

悪いペルソナの特徴

  1. 思い込みや先入観を人物像に反映してしまう。
  2. 必要以上の情報を載せる。

作成の5つのステップ

1.ユーザーに関する情報を収集

ターゲットオーディエンスの考え方、動機、および行動を理解するためにユーザー調査を実施し、最も典型的なユーザーグループの主要なニーズを把握することが理想です。調査無しにユーザーを製作する場合、ステレオタイプのユーザーをペルソナとして設定しないようにすることは非常に重要です。

2.調査データから行動パターンを特定

ユーザー調査の行動をリスト化し、マッピングしてカテゴライズして、6つまたは8つのクラスターグループ傾向を製作します。。ターゲットが複数考えられる場合には、ユーザーの性質ごとに作成します。

3.ペルソナを作成し、優先順位を付けます

行動のクラスターグループを、共感できるペルソナにします。

4.インタラクションのシナリオを見つけて、ユーザーペルソナのUXドキュメントを作成します

ペルソナ自体には価値がありません。それらは、シナリオに落とし込んでこそ価値があります。シナリオは、ペルソナが目標を達成する想像上の状況です。シナリオは、設計者が主要なユーザーフローを理解し、それらの要件から設計ソリューションを作成します。シナリオは、ペルソナの観点から、通常は高レベルで作成し、発生する可能性のあるユースケースを明確にする必要があります。

5.調査結果を共有し、チームから承認を得ます

すべてのプロダクト製作チームメンバーと関係者は、ペルソナを理解する必要があります。記憶に残ること、ビジュアルとしてのわかりやすさ、そして可能な限りの関連情報を伝えるものです。

コメント