アメリカ「メルカリ」のUI/UXを考える

前回の記事ではターゲットユーザー、需要についてデータリサーチ、ユーザーヒアリングを行いました。以下の3つの仮説を立てましたが、今回はその中でも、メルカリの強みを活かせるターゲット層として「日本のアニメファンの需要」について、ペルソナとストーリーを考えていきます。

3つのポテンシャルターゲットセグメント

1, 一番中古サイトを使う層は高校大学生。スニーカーや古着の需要
2, 日本の化粧品の知名度を上げて女性ユーザーに買ってもらう需要
3, 日本のアニメファンへの需要

リサーチとユーザー理解

ペルソナ

名前: Jonathan (ジョナサン)
年齢: 25歳
職業: 会社員( エンジニア )
居住地: テキサス州ダラス
家族構成: 妻(妻の親と同居)
年収: 70,000ドル(日本円だと1000万円程)


背景・経歴

ジョナサンはエンジニアとしてテキサス州で働いており、実家の両親と妻と妻の弟の5人で暮らしています。彼はアニメが好きで、日本のワンピースやドラゴンボールやNARUTOなどのフィギュアをコレクションしています。ワンピースカードゲームにも熱中しており、地元のカードゲーム大会やミートアップに参加したり、ディスコードサーバーなどのオンラインプラットフォーム情報を共有をしています。

課題

  • プレイヤーは最新のカードや強力なデッキを求める傾向があります。特に大会で勝つための競技性の高いカードが人気です。
  • アートワークやコレクターズアイテムとしての特別版カードや周辺グッズも需要があります。
  • トーナメントやプレイイベントへの参加を希望するプレイヤーが多く、コミュニティとのつながりを深めたいと考えています

行動パターン

  • オンラインプラットフォームでレアなアイテムを探します。
  • 既存のマーケットプレイスで見つからない時に新しいプラットフォームを試すこともあります。
  • ファンコミュニティで情報収集をします。
  • オンラインのデッキビルダーやリソースを活用してデッキを作成します​。
  • 地元のゲームストアやオンラインフォーラムで他のプレイヤーと交流し、戦略やデッキ構成についての情報を共有します。トーナメントやイベントに参加することで、対戦相手と交流することも多いです。
  • 自分のコレクションを充実させるために、複数のプラットフォームを利用します。

価値観・ニーズ

  • 自分の趣味に強い情熱を持ち、コレクションにこだわります。自分のデッキを最適化するためにカードを収集し、それがたとえ高額だとしても入手に時間がかかったとしても手に入れたい時があります。
  • コミュニティの口コミや新しいツールを試すことにオープンです。
  • フィギュアやカードの希少性やコンディションを重要視しています。
  • 人気のキャラクターのカードは高値で取引されるため、投資としての側面も持っています​。

シナリオ

ジョナサンはワンピースが大好きで、漫画やアニメを見ています。フィギュアやトレーディングカードゲーム(TCG)やコスプレにも熱中しており、趣味の合う友達とDiscordのコミュニティで会話したり、週末は地元のイベントでカードバトルを楽しむこともあります。彼は普段、AmazonやTCGPlayer(トレカのメルカリ)でカードを集めてプレイしています。

ある日彼がDiscordでコミュニティメンバーと話していると、どうしても欲しい限定のワンピースのグッズの話を聞きました。

AmazonやEbayを探しましたが見つからず、友人がコミュニティで言っていた「メルカリ」を思い出しました。友人はメルカリは他のプラットフォームと違って、個人間の取引が活発で、特にレアなアイテムが手に入ることがあると言っていました。さらに、日本の出品物をアメリカから直接購入することもできることも分かりました。

検索してみると、ずっと探していた限定版のワンピースグッズが見つかりました。日本からの直接発送とのことで値段が高かったので、出品者と価格交渉やりとりを行いましたが、英語でスムーズに進んで、納得のいく価格で取引を成立させました。取引後、フィギュアが無事に届き、想像以上に良好な状態で手に入れることができたことで、ジョナサンはメルカリの便利さに驚きました。

その後、メルカリを通じて他にもカードやグッズを集めたり、自分が使わなくなったカードを販売するなど、アクティブなユーザーになりました。特にワンピース関連のアイテムを探している時には、今やメルカリが彼の第一選択肢となっています。

改善できる点

  • メルカリの知名度の低さ:アメリカのアニメファンに対するマーケティング。Discordなどのファンコミュニティーに対するアプローチや口コミ増加。
  • 商品ラインナップのパーソナライズ:例えばDepopなどの中古販売のサイトでは、サービス登録時にユーザーがどのような商品に興味があるかや、服のサイズや靴のサイズまで選ばせてくれて、アプリを開いた瞬間からパーソナライズされた商品が並んでいました。
  • ターゲット層に親しみを感じさせる文面:今のメルカリは丁寧で機械的に感じました。
  • 検索の英語互換性:メルカリのアプリで「One Piece 」と検索すると、アメリカの商品ばかり出てきます。日本の商品を見るためには『Japan』のタブに切り替えなくてはいけません。
  • 表記揺れ: タブを切りかえて日本の検索をした場合でも、表記揺れで出てくる商品が変わります。
    🔍「One Piece」
    🔍「ワンピース」(カテゴリーを絞らないと女性の洋服ばかり)
    🔍「ワンピース-カテゴリーおもちゃ」
    では全く違う商品が出てきます。アメリカ人が日本の検索で「One Piece 」と英語で検索したときも、日本の「ワンピース(オモチャカテゴリー選択)」の検索結果が出てこないと、せっかくメルカリまで足を運んでくださった方でも欲しかった商品を見落とします。
  • 英語でのコミュニケーション
    日本のユーザーとの価格交渉を選択式にしてお互いの言語の壁を無くします。

オンボーディングユーザーフロー

アプリをダウンロード後、メールアドレスもしくはGoogleログインを選択。

個人情報登録と認証

登録ステップがいくつあるかを1/6など表示し、入力負担を軽くする。
それぞれのステップでなぜ入力が必要なのか一言加える。

メールアドレス入力。またはGoogleやFacebookログイン
→名前入力(なぜ入力が必要なのか一言加える。)
→誕生日入力(なぜ入力が必要なのか一言加える。)
→電話番号入力(なぜ入力が必要なのか一言加える。)
→電話番号認証
→ユーザーネーム入力(後で変えられることを一言加える。)
→パスワードを入力
→通知設定(通知やNortificationというネガティブな言葉を使わない。返答はOK,CoolやNo thanks)

具体的なパーソナライズ情報(後で設定可能)

一番購入する可能性のあるカテゴリ:(例)女性アパレル、マンガ・アニメグッズ、子供服、家電…
→好きなコンテンツ:(マンガ・アニメグッズの場合)マーベル、ワンピース、ナルト、ポケモン…
→興味のあるグッズ複数選択:(例)トレカ、フィギュア、キーチェーン、ぬいぐるみ…
→アプリのトップページ。最初に見た画面の時点でその人が欲しい可能性の高いものだけを表示

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